眼球の中で茶目(虹彩)のすぐ後にレンズ(水晶体)があります。
このレンズ(水晶体)はカメラのレンズにあたるものでもともとは透明ですが、
いろいろな原因で濁ることがあります。これが白内障です。
白内障の原因として、
等があります。
今回は、老人性白内障について説明していきます。
老人性白内障の自覚症状として、
○目がかすむ ○太陽の光がぎらぎらとまぶしい ○夜対向車のライトがとてもまぶしい ○物がぼやけて見える ○物が2つに見える
等があります。
老人性白内障は、年齢を重ねることによって生じる老化現象の一つと考えてください。 白髪になるのと同じです。
進老人性白内障の予防方法としては、進行を防ぐといわれている点眼薬にカリーユニ点眼やカタリン点眼等がありますが、
老化を治す優れた薬はなかなかないようです。当院では、希望された方にのみ処方しております。
白内障の治療は、白内障手術しかありません。
白内障手術は、レンズ(水晶体)の濁りを取り除き、眼内レンズを挿入するものです。今では、小さい傷から手術が可能となった為手術時間も短く、
また、局所麻酔で行う為手術後しばらくベッド上で安静にして頂くだけでその後は普通に起きて歩けます。
当院では、白内障の日帰り手術・1泊2日入院の手術を行っております。
後発白内障とは、白内障手術を受けた後、数か月あるいは2~3年後に
水晶体の袋(水晶体袋)が濁ってしまう状態です。
白内障手術では、もともとの水晶体(レンズ)を全て取るのではなく、
水晶体の一番外側の袋(水晶体袋)を残し、その中に人工レンズを挿入・固定しています。
この方法により人工レンズを確実かつ容易に眼内で固定することができます。
白内障手術時に残した水晶体袋に濁りが生じて後発白内障になると
視力が低下してしまいます。
後発白内障の治療として、濁りを弾き飛ばすレーザー治療
「YAGレーザー」があります。
この処置は、点眼麻酔のみで通院で行います。
時間は5~15分で終了します。痛みはほとんど無いです。
後発白内障以外に目の病気がなければ、白内障手術直後程度まで視力が回復することが期待できます。
ただし、合併症もありますので、眼科専門医の診察・説明をしっかり受けてから、レーザー治療を受けて下さい。
武田眼科にはYAGレーザーの器械がありますので、「後発白内障かな?」と思われる方は一度ご相談下さい。
レーザー治療後は基本的には全く通常の生活を続けて頂けます。
※レーザー治療「YAGレーザー」の費用
1割負担の方は「1520円」
3割負担の方は「4560円」
上記はレーザー治療「YAGレーザー」のみの金額です。
まぶたが赤く腫れるだけでなく、痛みがあるのが特徴。
細菌の感染によるまぶたの縁近くのまつ毛根元の急性化膿性炎症です。
これを一般的にめいぼ・めばちこ・ものもらいと呼んでいます。
医学的には、「麦粒腫」という名前がついています。
麦粒腫の治療として、抗生剤の点眼・内服を使います。
進行している場合は切開してうみを出す時もあります。
麦粒腫とよく間違われるものの中に「霰粒腫」と呼ばれるものがあります。
「霰粒腫」は、「麦粒腫」と違ってまぶたの縁から少し離れた所にあり、
まぶたにぐりぐりとした固いものができます。
基本的に痛みはありませんが、時折痛みのあることもあります。
まぶたのマイボーム腺に生じた慢性の炎症による肉芽腫です。
霰粒腫の治療としてステロイドを使います。
なかなか治らない場合や大きい場合は手術して摘出することがあります。
麦粒腫とよく間違われる疾患として霰粒腫の他には眼瞼炎・眼窩蜂巣炎等があります。
めばちこだと思っておられる患者さんの中にめばちこと違うことがおこっていることがあります。
眼瞼内反症はまぶたが内側を向いてまつげが眼球を傷つける症状です。
子供さんの場合
子供さんの場合、まぶたの皮下脂肪が多いため、
まぶたが内側に向く傾向にあります。
そのため、まつ毛が黒目や結膜に触り黒目に傷をつけたり、
結膜炎をよく起こしたりします。
黒目のキズや結膜炎は、目の充血・めやに等の原因なります。
また、黒目のキズや結膜炎等があると、子供は目の違和感を感じるので、
目をよくこするようになります。
まぶたは、成長するにつれて外側に向いてきますので、
黒目のキズや結膜炎に対する治療のみで経過をみます。
ご高齢の方の場合
ご高齢の方の場合は、歳を重ねるにつれてまぶたの皮膚がたるみ、
余ってしまうことでまぶたが内側に向いてしまいます。
手術について
いつまでも治らない場合のみ手術でまぶたを外に向けます。
キズや結膜炎の診断・治療は、眼科専門医に必ず診てもらってください。
さかまつげと眼瞼内反症は一見同じように見えますが、
原因も大きく異なりますし、治療も違います。
さかまつげの原因はまつ毛の生え方が原因で、眼瞼内反症はまぶたが原因です。
眼瞼下垂症とは、先天的理由やアトピー、加齢等様々な理由により、上まぶたが垂れ下がり開きにくくなってしまう状態です。
眼瞼下垂症の原因は上まぶたの中の軟骨に付着する筋肉が、軟骨から外れたり、たるむ等が原因とされています。
主な治療法は手術となります。 手術はまぶたを切開し、まぶたの中の筋肉を短縮します。
手術をする事で少ない力でまぶたを持ち上げることが出来るようにします。
網膜というのは、眼球の壁の内側にある光を感じる膜のことで、
カメラでいうフィルムにあたる部分です。
この網膜に「さけ目」ができた状態を「網膜円孔・網膜裂孔」といいます。
網膜のさけ目(網膜円孔・網膜裂孔)を放置すると、
そのさけ目から眼内の水が入っていき、
網膜が眼球の壁から剥がれて、いわゆる「網膜剥離」を起こすことがあります。
網膜剥離は失明につながる病気であり、手術を必要となることがあります。
網膜にさけ目(網膜円孔・網膜裂孔)ができていても、
網膜剥離が無いか、または少ししか網膜剥離を生じていない場合には
網膜光凝固術(レーザー治療)で治療することができます。
もうすでに網膜剥離をある程度生じている場合には
レーザー治療では治すことはできず、手術が必要となります。
武田眼科では、網膜のさけ目(網膜円孔・網膜裂孔)の段階でのレーザー治療を行っております。
網膜光凝固術(レーザー治療)の目的は網膜と眼球の壁との間に「やけど」のようなものを作ることにより、
網膜と眼球の壁を癒着させることにあります。
さけ目の周りの網膜を焼いて眼球の壁と癒着させることにより網膜剥離となるのを防ぎます。
<メリット>
手術と比べて外来で簡単にできる。検査用のコンタクトレンズを使用し、5~10分ぐらいで終わります。
痛みはないです。
<デメリット>
手術に比べると網膜剥離を予防する力が弱い。
レーザー治療後は基本的には全く通常の生活を続けて頂いてよいです。
ただし、激しい運動は少しの期間控えて頂くことがあります。
飛蚊症・光視症等がある方は一度眼底検査(散瞳検査)を受けましょう。
網膜剥離とは、目の底にある網膜(カメラでいうフィルムの部分)に裂孔(さけ目)
ができ、その裂孔から目の中の水が入り、網膜が眼球からはがれる眼病です。
進行して網膜がすべてはがれてしまうと全く見えなくなります。
網膜剥離の症状として、以下のような症状があります。
飛蚊症:
網膜の裂孔(さけ目)から色素細胞が飛び出してくるので、
黒い虫が飛んだような症状を自覚します。
光視症:
網膜が目の底からはがれる時には、
電気が走るためピカピカと光を感じることがあります。
視野欠損:
網膜剥離を生じた部分は見えなくなり、視野欠損となります。
運良く裂孔だけで網膜がはがれていない状態で見つかればレーザー治療で裂孔のまわりを 焼き固める治療だけで手術せずに済みます。
網膜がはがれて網膜剥離になっていれば、裂孔をふさぎ網膜の下に入った水を抜く手術を行います。
手術の方法には、目の中からする方法と目の外からする方法がありますが、年齢や網膜剥離の状態により手術の方法が選択されます。
早期発見・早期治療が望まれます。
「虫が飛ぶ」「ピカピカと光りを感じる」等の症状がある方は、眼科で眼底検査を受けましょう!
網膜剥離になるとほぼ100%進行し、失明することもあります。
網膜剥離の前段階の網膜裂孔(さけ目)の状態であれば、レーザー治療で治療することができます。
眼底検査は、目薬で瞳を開いて目の奥を見る検査です。
糖尿病による眼病としては、網膜症・白内障・緑内障・虹彩炎・感染症等があります。
中でも糖尿病網膜症が数多く見られます。実際に糖尿病は失明に至ることが多く、
糖尿病になって5年で40%の人が糖尿病による眼病を起こすともいわれています。
糖尿病は血管がつまっていく病気であり、
全身的には心筋梗塞・脳梗塞等を起こすと言われております。
目の底(眼底)には、心臓や脳の血管よりかなり細い血管があります。
その為、目の底の細い血管がつまり網膜に出血や腫れ(浮腫)を起こします。
さらに、進行すると眼内に出血(硝子体出血)・網膜剥離等を起こし視力が低下します。
糖尿病網膜症の治療は、しっかりした血糖コントロールを行うことです。
血糖コントロールを行っても糖尿病網膜症が進行するなら
レーザー光凝固術が必要となります。
レーザー光凝固術をしても進行するようなら手術が必要となることもあります。
加齢黄斑変性症は、加齢によって黄斑部にキズ(変性)が生じて
視野の真ん中の視力が落ちる眼病です。
黄斑(部)というのは、眼底(網膜)の中心に位置する場所のことで
物を見る中心となっています。
この黄斑部にキズ(変性)が生じると
視力低下・視野の真ん中が黒く抜ける(中心暗点)
物を見ると歪んで見える(変視症)
等を生じます。
加齢黄斑変性症は、①委縮型と②滲出型の2タイプがあります。
①委縮型は、悪さをする新生血管は生じず、視力低下もゆっくりなタイプです。
②滲出型は、新生血管が生え、そこから出血や血液中の成分が漏れ出たり(浮腫)して
黄斑部に障害を起こし視力を低下させるタイプです。
「新生血管」は、正常な血管ではなく、血管の壁が弱く、
出血したり血液中の成分が漏れ出たりします。
「新生血管」は、やっかいな血管です。
加齢黄斑変性症の治療としては、
①委縮型には、有効な治療はなく、経過を見るしかないようです。
②滲出型は、レーザー光凝固術、手術的治療、光線力学療法(PDT)等があります。
その他には、放射線療法等もあるようです。
また、新しい治療法として光線力学療法(PDT)があります。 光線力学療法は、光感受性物質を静脈内に投与してから黄斑部に弱いレーザーを
あてることで黄斑部の網膜を傷つけずに新生血管のみを閉塞させるという治療です。 主に大学病院等で行われています。
加齢黄斑変性症を疑われた場合、加齢黄斑変性症のタイプによって治療方針が異なりますので、 まずはしっかりした検査を受けることをお勧めします。
また、治療に関しては、開業医ではなかなか難しいことが多いため大学病院や大きい病院でよく説明を聞いてから治療を受けてもらうとよいと思います。
黄斑上膜(網膜上膜)は、網膜の表面に膜ができるものです。
「黄斑」は、眼底(網膜)の真ん中で、眼球にまっすぐ光が入って時に眼底に当たる場所です。
眼底(網膜)の中心にある黄斑部は、直径5.5~6.0mmの小さな領域で、ものをみる為に特に重要なところです。
黄斑上膜(網膜上膜)の原因は、加齢による変化と考えられています。
目の中は硝子体と呼ばれるゼリー状の物質が入っています。
硝子体は薄い膜で包まれており、加齢の変化によりその薄い膜が眼底から徐々にはがれていきます。
その薄い膜の一部が黄斑部に残ったものが「黄斑上膜」です。 このような加齢変化は50歳以上多く見られます。
黄斑上膜(網膜上膜)で視力が低下するのは、黄斑部に生じた膜が濃縮し分厚い膜になるためです。
また、黄斑上膜(網膜上膜)でゆがみが発生するのは、膜が線維化を起こすと網膜を引っ張るので、網膜に襞が生じるためです。
黄斑上膜(網膜上膜)は基本的には加齢変化ですので、急に悪くなくことはありません。
武田眼科では、定期的に眼底検査を行い黄斑上膜が進行していないかをチェックしています。
40歳前後の男性でストレスを強く受け、
夜遅くまで仕事をする働き盛りの人によくおこります。
中心性網膜炎(中心性網脈絡膜炎)の症状として、
○物を見ようとする中心部がぼやけて暗く見える
○物が小さく見える ○物がゆがんで見える ○色がついて見える。
等があります。
眼底の中心の黄斑部というところに水がたまってはれ、むくみが生じます。
このむくみの原因は、眼底にある網膜と脈絡膜との間にある
網膜色素上皮に生じたキズです。
このキズから水がもれるので網膜の下に水がたまりむくみを生じます。
中心性網膜炎(中心性網脈絡膜炎)は3~6カ月で自然治癒傾向がみられることがあるので、
内服治療でようすみることもあります。
ただし、自覚症状が強く、水がもれている点が眼底の中心から離れているとレーザー光凝固術も可能です。
レーザー光凝固術の決定は、造影検査等を行ったうえで慎重に行います。
中心性網膜炎(中心性網脈絡膜炎)の予後の視力回復は一般によいとされています。
しかし、長期間治らなかった場合や再発の場合は、視力の回復が悪い時があるので注意が必要です。
中心性網膜炎(中心性網脈絡膜炎)の検査としては瞳を開いて眼の奥をみる「眼底検査」が必要です。
水がもれている場所を探すための造影検査も場合により必要です。
そのほかは、視力・眼圧等です。
網膜の中心の動脈が詰まると急に全く見えなくなります。
これを「網膜動脈閉塞症」と言います。 動脈硬化・心臓病・糖尿病にともなって発症する方が多くおられます。
網膜の枝分かれした動脈が詰まるものは「網膜動脈閉塞症」ではなく「網膜分枝動脈閉塞症」と言います。
これは、一部の網膜が死んでしまうので、一部の視野が急に見えなくなり欠けてしまいます。
網膜動脈閉塞症は、発症してからの時間によって予後が変わってきます。
発症すぐの場合は、眼球マッサージ・内服・点眼等を行い、場合によっては、血栓溶解剤の点滴を行ったりします。
発症後ある一定の時間が経つと、網膜の機能は回復しません。
はっきりといつから見えなくなったとわかるような症状の場合や
急に電気が消えたみたいな症状が生じた場合は、すぐに眼科へ受診して治療を受けるようにしてください。
網膜静脈閉塞症は血栓が静脈内に生じ、血管を閉塞する為、眼底に出血を生じます。
高血圧や糖尿病等の方に多く見られます。 動脈硬化が主な原因と言われています。
閉塞した血管より末梢は、血がいかなくなるので循環障害と生じます。
循環障害が強いと新生血管が出現することがあります。 この新生血管は血管の壁が弱い為、すぐに出血を起こし眼内に出血が及びます。(硝子体出血)
出血する場所により症状は異なります。出血が生じている場所は、視野欠損となります。出血が眼底の中心に及ぶと視力低下を生じます。
静脈閉塞症が起こった後の経過としては、出血が中心に及んでいなければ数カ月~1年ぐらいで出血がひきます。
出血が中心に及んでいる場合は、視力低下を生じ、数か月~1年ぐらいで出血がひきますが、視力は低下したままのことが多いです。
循環障害が強く新生血管が経過の途中で生じることがあります。
その場合は、眼内に出血をすることがありますし、視力予後がわるいことが多いです。
循環障害がもっとひどくなると新生血管が眼底以外にも生じるようになり、まれですか血管新生緑内障を起こす場合もあります。
網膜静脈閉塞症の治療法として
1.抗凝固剤により血栓の拡大・再発を防止する。
その他、血管壁強化薬や血管拡張薬や消炎酵素薬等で治療を行います。
2.レーザー治療
→レーザーは視力をよくするものではなく、さらに悪化しないようにする為に行うことが多い。
3.手術(硝子体手術)
眼内に出血を生じた場合や出血が眼底の中心部におよんでいる場合等に行われる。
静脈閉塞症は、高血圧・糖尿病・動脈硬化等の全身疾患を持っている方によくおこります。
静脈閉塞症が生じてから内科に行ってもらったら高血圧が見つかったという方もおられるぐらいです。
静脈閉塞症は、再発することもあるので、この眼病にかかったら再度内科で異常が無いか診てもらうとよいと思います。
黄斑円孔とは、網膜に孔が開いてしまった状態です。
目の中には「硝子体」と呼ばれるゼリー状の組織があり、硝子体は薄い膜で包まれています。
その硝子体は年齢の変化に伴い眼底からはがれていきます。
この時に「眼の中心部分(黄斑部)」にけん引がかかって
網膜に孔が開いてしまった為に「黄斑円孔」を形成します。
○中心部の視野欠損 ○ものがゆがんで見える ○視力低下 等の症状が生じます。
片目で見た時に
○ものがゆがんで見える ○ものが真ん中によって見える
等の症状がある方は眼科で眼底検査を受けましょう。
黄斑円孔の治療としては「硝子体手術」を行って円孔を閉鎖させます。
「硝子体手術」は、硝子体を切除し、黄斑部への硝子体のけん引をなくし、
眼内にガスをいれうつむく姿勢をとることによって円孔を閉じさせる手術です。
硝子体手術後すぐには視力、ゆがみは治りませんが、
「半年~1年ぐらい」かけてゆっくり視力が回復し、ゆがみがなおってきます。
ただし、黄斑部は視力のほとんどを占める重要な部分ですので、
一度黄斑円孔を生じると全く元の視力、見え方に戻るというのはなかなか難しいです。
ドライアイには、
①シェーグレン症候群等の涙腺から涙がつくられない病気によるドライアイ
②パソコン等の仕事やコンタクト装用等で涙が蒸発しやすくなり発症するドライアイ
があります。
涙が蒸発した場合のドライアイの治療として、
人工涙液の点眼・ヒアルロン酸の点眼・眼軟膏等があります。
それでも効果のない方には、涙点プラグ・涙点閉鎖等を行います。
また、パソコンやコンタクト装用のほかでよく見られるのが、
目のふちにあるマイボーム腺と呼ばれる脂の腺がつまることで
ドライアイになる方がおられます。
これは、目の周りをきれいにされていない方や中~高齢の方によく見られます。
マイボーム腺から分泌される脂は、涙の蒸発を防ぐ役目をしているので、脂がつまってしまうと涙が蒸発しやすくなりドライアイになってしまいます。
マイボーム腺がつまってしまった場合のドライアイの対処法として眼瞼マッサージ、瞼縁の洗浄、温める等があります。
治療法としては人工涙液の点眼、ヒアルロン酸の点眼、ステロイド点眼等を行います。
はやり目とは、ウイルスによっておこる伝染性の結膜炎の中で一番症状がひどいものです。
医学的には、流行性角結膜炎と呼びます。
はやり目の症状として
○目が真っ赤になる
○涙がぼろぼろとこぼれる
○朝、目があかない程に目やにがでる
○目に何か入っているかのような痛みがある
(耳のリンパ腺がはれることもあります)
また、お子さんの場合は、『偽膜』と呼ばれる白い膜が結膜にできることがあります。
この膜がはがれて出血すると涙に血がまじってきます。
治りがけに角膜ににごり(ホシ)ができ、痛く、小さい点状のキズができます。
のちに点状の混濁が残り、眼がかすむことがあります。
はやり目はアデノウイルスというウイルスが原因です。
このウイルスは一般に消毒薬に抵抗力が強く感染力が大変強いので非常にうつりやすく、幼稚園や小学校の学級内で次々とうつり発病します。
また、眼科医院へ通院して感染(院内感染)することもあります。
まず、他人にうつさぬことが非常に大切です。
一度かかると体に免疫が出来ますから、そのウイルスに対し2度かかることはないようですが・・・。
ウイルスに良く効く薬はありません。
従って、細菌による2次感染防止目的で抗生剤の点眼と消炎・点状の混濁(ホシ)が残らないようにステロイドの点眼をおこないます。
通常は、2~3週間位で治ります。
はやり目の感染予防について
めやにのついた手で他の場所にさわると、そのさわった場所を誰かが触り、眼に触れるともう感染してしまいます。
ですから、目を触ったら(特にめやに)石鹸でよいので、水道水を出しっぱなしにして時間をかけて充分に洗ってください。
(その時、目を触った手で水道のコックを回さないで下さい。)家族とはタオルを別にしてください。
めやにが多い時は、ティッシュペーパーで軽く拭き、そのままティッシュペーパーを捨ててください。
プールはしばらく中止することが望ましいです。入浴は自宅ならいいですが、最後に入ってください。
翼状片とは黒目(角膜)と白目(結膜)の間にあるバリアが決壊して
白目(結膜)が黒目(角膜)に入ってくるものです。
○黒目に白目がかかっている
○黒目に白い部分がある
等と言われ受診される方が多いです。
原因は「紫外線」と考えられています。
翼状片の治療は程度により異なります。
瞳孔領にかかっておらず、充血・刺激感等がある場合は、
マイティア点眼やフルメトロン点眼等の点眼での治療を行います。
瞳孔領にかかっている、もしくは瞳孔領にかかりそうな場合は、手術にて摘出除去します。
瞳孔領に白目(結膜)が入ってしまうと、視力障害を生じます。一旦、視力障害がおこると手術で摘出除去しても視力は元に戻りません。
(白目が黒目に入った部分は白眼を除去しても濁りが残る為です。)
ですので、瞳孔領に入る、できれば、瞳孔領に入る前に手術を受けて下さい。瞳孔領にかかってない場合は、経過を見てよいでしょう。
翼状片の手術について
手術は黒目に入った白目(結膜)の部分を切除し、別の部分から結膜を持ってきて縫合します。
★武田眼科でも翼状片の手術を行っております。
★当院では、日帰りで手術を行っております。
角膜ヘルペスとはヘルペスというウイルスが黒目(角膜)に感染して生じるものです。ヘルペスには「単純ヘルペス」と「帯状ヘルペス」があります。
単純ヘルペスが黒目(角膜)に感染すると、黒目に木の枝のようにキズが付きます。そのため、「樹枝状角膜炎」ともいわれます。
この段階で治るといいのですが、これが治らず進行すると黒目の深い所へヘルペスウイルスが侵入していきます。
こうなると黒目ににごりが起こり視力低下を生じます。ひどい場合には、にごりがなくならず視力が回復しない方もおられます。
帯状ヘルペスの場合は、ひたいから上眼瞼の皮膚に発赤・水疱・かさぶたを生じ、その部分の神経痛が激しいのが特徴です。
皮膚症状が強いですが、黒目等のも病気がおこる時があります。
ヘルペスは黒目に感染するとなかなか治らないことがあり、黒目ににごりを生じると視力も低下する怖い眼病です。
目のまわりにヘルペスを生じた方は、一度眼科で目にヘルペスがきていないか診てもらっていた方が安心です。
また、ヘルペスは神経の根元にひそんでいるのでいつ再発するかわかりません。再発には注意して下さい!
結膜を一般的に白目と呼びますが、実は結膜は透明で結膜の下の白い膜を強膜といいます。
上強膜炎とは球結膜の充血と軽い疼痛があり、強膜血管のうっ血を認める眼病です。
上強膜炎の原因は不明なことが多いですが、リウマチ等の膠原病等と関連していることもあります。
治療として、ステロイドの点眼等を行います。
強膜炎は上強膜炎より深部にまで炎症がおよぶ病気です。充血、眼痛、まぶしさ、視力障害等を認めます。
強膜炎の原因はリウマチ・強直脊椎炎・Wegener肉芽腫等の膠原病、ヘルペス等の全身疾患と深く関係しています。
治療として、ステロイド点眼、ステロイド内服やステロイドの結膜下注射等が必要なこともあります。
強膜炎の炎症が長期におよぶと強膜が穿孔(穴が開くこと)することもあり、その場合は保存強膜等を使って補強することもある。
老人環とは黒目のふちが白くなるもので、年齢変化によるものですので心配しないでください。
老人環の原因は黒目のふちに脂質がゆっくり沈着してくる為と言われています。
黒目のふちにしか生じないため、黒目全体が白くなることはありません。
また、混同されがちですが「白内障」は目の中の水晶体が濁るものですので、まったく別のものです。
黒目の横にできる黄色っぽい盛り上がりを瞼裂斑といいます。 正常なものですので心配しないでください。
瞼裂斑は一種の変性で放置してよいものです。ここに炎症が生じ「瞼裂斑炎」となった場合は、低濃度のステロイド点眼を用います。
花粉症とは、季節性アレルギー性結膜炎のことです。
スギ・ヒノキ・カモガヤ等の花粉により、
それぞれの花粉が飛散される時期に生じる結膜炎のことをいいます。
毎年同じ時期にかゆみ・涙・充血等の症状で悩まされる方は、
症状がではじめるより約2週間前から予防的に抗アレルギー点眼をすると、
症状を例年よりおさえることが出来ます。
ただし、予防点眼は点眼を開始して1週間ぐらいたってからでないと効果が現れません。
花粉症には、早めの点眼が効果的です。
すでに花粉症の症状が出てしまっていたら抗アレルギー点眼と
ステロイド点眼等を用いて治療をしていきます。
症状の軽い方は、抗アレルギー点眼のみでよいですが、
症状が強いとステロイド点眼を併用しなくてはならないこともあります。
抗アレルギー点眼には、抗ヒスタミン作用を持つものと、持たないものがあります。
抗ヒスタミン作用を持つ点眼は、かゆみ等によく効きますが、「眠気、倦怠感」等の副作用がでることがありますので注意が必要です。
抗ヒスタミン作用を持たない点眼は、花粉症の予防には良いですが、既にかゆみ等の症状が出てしまっている方には、効果が弱いこともあります。
抗アレルギー点眼には、たくさんの種類があり、人によって向き不向きがあります。
どの点眼が効くかはわかりませんので、一度眼科専門医に相談してください。
飛蚊症とは、粒状・糸状・煙状等のものが目の前を
飛んでいるように見える自覚症状のことを言います。
年齢の変化によるものがほとんどですが、
中には治療・予防を必要とするものもあります。
飛蚊症の原因は目の中の濁りです。
目の中は硝子体と呼ばれるゼリー状の物質で充満しています。
濁りはこの硝子体の中にあるので、目を動かすと濁りは一緒に動き、
その濁りが眼底に影を落として虫がふわふわ浮いているように見えるのです。
飛蚊症は一度生じると生涯消えることはありません。病気ではないので治療する必要はありません。
気にせず放置していれば、数か月で気にならなくなくことがほとんどです。
また、飛蚊症が続いていても変化がなければ様子を見ていてよいでしょう。
ただし、飛蚊症が増える場合は、病的なことが生じている可能性がありますので、再度、眼科で眼底検査を受けて下さい。
緑内障とは、眼の中を満たしている房水の流れが悪くなり、眼圧があがり、
視神経を圧迫し、不可逆的な視野異常を生じる疾患です。
緑内障の治療は、眼圧を下げることしかありません。
通常は、点眼治療を行い、1剤で十分な眼圧下降がなければ複数本の点眼を行います。
それでも眼圧が下がらず緑内障が進行する場合は
緑内障手術を行わなければなりません。
最近は、眼圧が正常範囲内にあるのに緑内障になる人が
たくさんいることがわかってきました。
特に日本人には、眼圧が正常の緑内障(正常眼圧緑内障)が多く注意が必要です。
緑内障は、自覚症状がほとんどないのが特徴です。
目が重く疲れやすい、光の周りに色のついた輪が見える、
時々かすむ等の症状を自覚するときもありますが、
視力は低下せず痛みも充血もないので、自分では気付かないことがあります。
なにかおかしいと眼科でみてもらったら、緑内障の末期のことが度々見られます。
緑内障は早期発見・早期治療が重要です。
緑内障で視野欠損となった部分は、視神経が死んでいる部分ですので回復することはありません。
その為、出来るだけ視野欠損が出る前、もしくは少しの視野欠損の段階で発見し、治療をすることが重要です。
緑内障は40歳以上の方に多いので一度眼科で緑内障の検査をしてもらってはいかがでしょうか!
緑内障は慢性の眼病であり、視野欠損の進行を遅らせる、止める為に治療を行います。
緑内障を薬や手術等で治すということは出来ませんので、一生の間、日常生活に支障のない視野を確保するのが治療の目的です。
実際の治療は、眼圧を下げることで緑内障の進行を抑えます。
それには、眼圧を下げる点眼を用い、点眼でも進行を抑えられなければ手術で眼圧を下げるのが一般的な治療方針です。
現在緑内障の治療は眼圧下降の点眼を行います。
点眼治療で眼圧が下がらず緑内障が進行する方は緑内障手術となります。
その手術となる前にできる『レーザー治療』があります。
レーザー治療の内容は房水の主な経路である線維柱帯という部分に
レーザーを照射することにより房水の流れをよくし、
房水流出量を増加させ眼圧を下げようとするものです。
このレーザー治療は線維柱帯の有色細胞のみに選択的に照射するレーザーを使用するため、組織障害が少なく、安全性の高い治療です。
また、反復照射も可能なので何度でも治療を受けることができます。
レーザー治療の眼圧下降効果は個人差があり、約30%に眼圧が下がらないことがあります。
武田眼科では緑内障治療のレーザー装置を導入し、緑内障のレーザー治療を行っております。
緑内障手術は眼への侵襲が強いため、できるだけ点眼治療、定期診療(検査、診察等)だけで治療することが望ましいです。
それでも緑内障が進行する場合は、手術する前に今ご紹介したレーザー治療を受けてください。
年をとって水晶体(レンズ)が前の方に寄ったり、水晶体が厚くなったり、
老化現象によって虹彩(茶目)に弾力性がなくなったりすることにより
眼内の水(房水)の出口が狭くなっていきます。
その状態で、精神的興奮や薬剤や近業等が加わると、突然水の出口が塞がってしまいます。
その為、急激に眼圧が非常に高くなります。
これが急性緑内障発作です。
眼の圧力上昇が高度で急激におこる点で一般的な緑内障(開放隅角緑内障)と異なります。
緑内障発作は激しい症状ゆえ本人も何か変だなと気付きますが、
頭痛や吐き気・嘔吐等がある為、 一見目の病気とわからず、内科等を受診し、
「風邪」と言われたり、「胃炎」と言われたりすることが今でもあります。
この時、落ち着いて目をみると、緑内障発作だと白目の充血が強く、
目の痛みやかすみがあるので気付くと思います。(95%は片目におこります。)
緑内障発作は50歳以降の遠視眼を有する女性に高頻度に見られます。
遠視の眼は、眼球が真ん丸になっており、元々眼内の水の出口がやや狭くなっております。
さらに、50歳以降になると水晶体や虹彩に年齢的な変化が出てくるので緑内障発作を生じやすくなります。
緑内障発作の治療として、ピロカルピン点眼(瞳を小さくする点眼)を頻回にさし、
ダイアモックス(眼圧を下げる)を内服、高張浸透圧剤(眼圧を下げる)の点滴を行い、
直ちにレーザー治療(レーザー虹彩切開術)を行います。
発作がひどくてレーザー治療ができない場合は、手術が必要となります。
緑内障発作をおこすかどうかは、眼科で眼圧測定、隅角検査(圧迫隅角検査)等をするとわかります。
隅角検査とは眼中の水の出口が開いているかをみる検査です。
うつむいたり、長時間の近業(特に暗い場所で本をよんだりするとこ)等で眼の痛み等を感じられる方は一度眼科医に相談して下さい。
学問的には仮性近視ははっきりした定義をもちませんが、
ここでは一般に患者さんが考えている
「近視の初期、治る可能性のある近視」という意味にとって説明していきます。
ゲーム・パソコン・(勉強)等をしすぎて近くをみつめ続けると、
眼の中にある水晶体(調節をつかさどる器官)が近くをみつめた状態で
かたまってしまいます。
この状態で遠くを見るとぼやけて見えます。
これを一般に仮性近視と呼んでいます。
他に「偽近視」、「学校近視」等とも呼ばれています。
眼科で出来る仮性近視の治療としては、この水晶体の緊張を取り除く点眼とワックという望遠訓練(水晶体の緊張をほぐす)をする事しかありません。
点眼と訓練で近視が改善せず、かつ裸眼視力(メガネ等していない状態での視力)が悪いお子さんは、やはりメガネを作ってあげた方よいと思います。
ただし、初めてメガネを作る時は、レンズの度を決めるのが難しいので眼科医に一度相談してからにしましょう。
近視の予防としては、一般的にはテレビを離れてみる・姿勢を正して本を読む・遠くをみる等が役立つと言われています。
勉強する時の姿勢や照明に注意するだけではなく、テレビ・ゲーム・パソコン等を控えるとよいかもしれません。
老視(老眼)とは、年をとって眼の調節力が低下したため
近くのものが見えにくくなった状態を言います。
老視(老眼)は、老化現象の一種ですから防止することは出来ません。
近くが見えにくくなれば、我慢せずに
適切なメガネ(老眼鏡)を用いるのが良いでしょう。
老視(老眼)が始まるタイミングは人によって異なりますが、
眼の調節力の低下は40歳頃から少しずつ始まります。
また、眼の調節力は年をとるにつれて低下する一方ですので、
3年~5年毎に一度、老眼鏡の度を強くする必要があります。
(人によって個人差はあります。)
老視(老眼)が始まると新聞が読みづらい、読書ですぐ目が疲れる、
近くがみえにくく少し遠くへ離さないと見えにくい等といった症状がでてきます。
老視(老眼)が始まっているのに気づかず、無理をしていると眼精疲労等になることがあるので注意が必要です。
一般的な老視(老眼)の対策は老眼鏡です。
しかし、遠視・近視等の屈折異常があれば、遠くを見る場合と近くを見る場合の2個のメガネを必要とすることが多いです。
その場合は、二重焦点レンズや累進多焦点レンズ等の遠近両用メガネを用いると1個のメガネだけでよく便利ですが、慣れにくい場合があります。
また、コンタクトレンズにも遠近両用レンズがありますが、こちらも慣れにくい場合があるようです。
慣れてしまえば使い勝手が良いようですが、向き不向きがあるようです。
当院では、遠近両用のハードコンタクトレンズと2週間交換タイプの遠近両用のソフトコンタクトレンズを取り扱いしております。
調節(調節力)とは、簡単に言うと物を見る時にピントを合わせる力のことです。
人間の眼は大変精巧に出来ていて、眼のひとみのすぐ後にある水晶体の厚さを毛様筋(茶目の根元にある筋肉)の働きによって変えることにより、
遠くを見る時も近くを見る時も網膜にピントがうまく合うようになっています。
どんな距離の所でもはっきり見えるように出来ています。
この働きを調節と言い、無意識に瞬間的に行われています。
若い時は、この調節力が強いため遠くも近くも見えますが、年をとると調節力が弱くなるため近くが見えにくくなります。
また、遠くも見えにくくなります。
老視(老眼)も遠視も凸レンズのメガネを使うので混同されますが、老視(老眼)は調節と関係したもので、
遠視は屈折と関係したものですので、異なります。
目の疲れ・目の痛み・頭痛・肩こり等をよくみとめる方は眼精疲労かも知れません。
一度眼科へ相談してください。
現在は昔に比べて目を使うことが大変多くなり、
それにつれ目の疲れを覚える人が多くなってきました。
眼精疲労には、
①眼科的異常
②全身的異常
③生活環境的要因 等が原因として言われています。
①眼科的異常と治療(対策)
・メガネが合っていない場合
→これが相当多いです。特に瞳孔距離のずれ。
・遠視・乱視・老視
→かなりよく見えても、遠視・乱視があると、眼の筋肉に力が入るので長時間目を使うと疲れます。また、年をとると調節力が低下しますので、眼を使うと疲れます。
・眼筋異常
→斜視(外斜視等)
・ドライアイ
→最近これが増えているようです。ドライアイの治療が必要です。
・不同視
→左右の屈折に差がある場合。コンタクトレンズがよい。
・緑内障・白内障等の症候群
→ひどい場合は、一度眼科で御相談下さい。
②全身的異常と治療(対策)
・脳腫瘍は、頭痛等を主訴に眼科を受診することも多く、視神経・視野等に異常を認め発見されることがあります。
→脳神経外科にて精密検査が必要です。
・循環器障害として低血圧、貧血、消化器疾患として胃下垂、肝障害等はしばしば眼の疲れを認めます。
・妊娠、生理異常、更年期等。
・鞭打ち症は、自律神経障害により瞳孔・調節異常を生じ、眼の疲れを認めます。
→眼精疲労の治療と共に原疾患に治療が必要です。
③生活環境要因と治療(対策)
・VDT症候群(パソコン等を使った仕事をする方に見られる。)
→眼精疲労の治療と職場のレイアウトをよくする必要があります。
・Sick building syndrome(換気の悪いビルの中にいる人に見られる。)
→眼精疲労の治療と環境の改善が必要です。
鼻涙道閉塞・狭窄症とは鼻涙道とよばれる目から鼻へ抜ける涙の通り道が
狭くなったり、詰まってしまう病気です。
眼科で行う検査として、
涙洗検査(涙の通り道が通っているかいないかを水を涙点より注入して調べる検査)や
涙嚢造影検査(鼻涙道のどこが狭窄・閉塞しているかを調べるために造影剤を涙点より注入してレントゲンを撮影する検査)
その他、必要があればシルマー検査(涙の量をみる)等を行います。
治療は、まずブジー(細い針金を鼻涙道に通して広げる)もしくはシリコンチューブ留置を行います。
それでも効果がない場合や涙嚢炎等の感染症を繰り返し起こす場合は、手術を行うことがあります。
鼻涙道閉塞・狭窄症の手術として、
涙嚢摘出術(最近はあまり行われないようですが、鼻涙道の一部の涙嚢自体を取り出す手術です。
この手術を行うと涙嚢炎等の感染症はなくなりますが、道がなくなるので逆に流涙が起こります。)や
涙嚢鼻腔吻合術(鼻涙道の途中より鼻へ直接流れる道を作る手術です。鼻の骨を削るため全身麻酔で行われることが多いです。最近は内視鏡でこの手術が行われるようになり、局所麻酔での手術も行われています。)があります。